2026-06-20

ユニクロは何で儲けている?990円のTシャツが利益を生む3つの仕組みを解説

看護師の投資日記 | 世界の裏側を覗くシリーズ

990円のTシャツが、
ユニクロを儲けさせている理由

安さを売っているのではない。
「選ばれる理由」を売っている。

読了目安 約6分2026.06 更新

先週、夜勤明けにユニクロに寄りました。手に取ったTシャツは990円。正直、「安すぎて大丈夫かな」と一瞬思いました。

でも、レジに並びながら、ふと気づいたんです。この値段で、ユニクロはちゃんと儲かっている。それも、ものすごい額を。

今日は、その「儲けの裏側」を、看護師目線でのぞいてみます。

よくある誤解

多くの人が思う「安さの理由」

「安いのは、中間業者を挟まないからでしょ?」そう思っている方、多いんじゃないでしょうか。私も最初はそう思っていました。

ユニクロが採用しているのは「SPA(製造小売業)」というビジネスモデルです。企画・生産・販売までを、ぜんぶ自社でおこなう仕組みのこと。

卸や小売店を間に挟まないぶん、コストを抑えられる、と言われています。ニトリや無印良品も、同じ仕組みを使っています。

ところが、ここに大きな見落としがあります。

→ SPAだけでは、実は儲からないんです。

通説のウラ

実は、それだけでは儲からない

自社で工場を持つ、自社で在庫を抱える。これは、言うほど簡単じゃありません。

海外の工場を管理するには、莫大なコストと専門知識が必要です。売れ残れば、在庫リスクもぜんぶ自社が背負います。

つまり、「SPAだから自動的に儲かる」という説明は、半分しか合っていません。実際、SPAを採用していても、利益率が伸び悩んでいる会社はたくさんあります。

しかし、ユニクロだけは、はっきりと違う結果を出しています。

通説 中間業者を抜くから安い
本当 値引きに頼らず売る設計

→ では、ユニクロだけが儲かる理由は、どこにあるのか。

仕掛け 01

値引きに頼らない「定価で売れる」設計

ファーストリテイリングの決算資料を見ると、ヒントが書いてありました。

直近の決算でも、利益が伸びた理由として「値引き率の改善」が挙がっていました。つまり、セールに頼らず、定価のままで売れる商品が増えている、ということです。

安い。でも、安売りはしていない。
これが、最初の仕掛けです。

→ そして、この「定価で売れる」を支えているのが、もう一つの仕掛けです。

仕掛け 02

他社が真似できない「専属パートナー」

ヒートテックや、エアリズム。ユニクロにしかない機能性インナーです。

これは、繊維メーカーの東レと共同で開発されたものでした。1999年、フリース素材の供給から関係が始まり、2003年にヒートテックが誕生。2006年には、長期的な戦略パートナーシップまで結んでいます。

つまり、ユニクロは「素材」そのものを専属契約で押さえているんです。同じものを、他のブランドが簡単に真似することはできません。

安いのに、真似できない。
それが、ユニクロの本当の強さです。

→ ここまでなら、よくある経営戦略の話です。でも、現場で見たユニクロには、もう一つの顔がありました。

仕掛け 03

世界中で売れる、というスケール

最後の仕掛けは、単純に「規模」です。

2兆552億円 26年8月期 上半期売上
(前年同期 +14.8%)
3,869億円 同 事業利益
(前年同期 +28.3%)
1,728 海外ユニクロ店舗数
(26年2月末時点)
3兆9,000億円 26年8月期 通期予想
(過去最高見込み)

半期で売上が2兆円を超えたのは、創業以来初めてのことでした。会社は通期の業績予想も上方修正していて、売上・利益ともに過去最高を見込んでいます。

同じ商品を、世界中で大量に作って売る。この規模があるからこそ、1枚あたりのコストはどんどん下がっていきます。990円のTシャツが利益を生むのは、まさにこの「規模」があるからこそなんです。

→ ここまで見えてくると、「安い」の意味が、少し変わってきませんか。

まとめ

私たちが学べること

ここまでの話を、3つに整理してみます。

  • 安い = 安物、ではない。安さにも「設計」がある。
  • 値引きに頼らず売れる商品ほど、実は強い商品。
  • 真似されない仕組み(専属の素材開発など)が、長期的な利益をつくる。

次に何かを買うとき、「なぜこの値段なんだろう」と考えてみる。それだけで、見える世界が少し変わると思います。

990円のTシャツ一枚に、こんなに緻密な設計が詰まっている。そう考えると、次にユニクロに行くときの目線が、ちょっと変わるかもしれません。

ちなみに、ファーストリテイリングは上場企業です。気になった方は、株価や決算資料を覗いてみるのも面白いと思います。
(投資は、あくまで自己判断でお願いします)

暮らしのとなりに、相場。

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