結局、オルカンって何者?【オルカン超入門①】

先日、オルカンとS&P500を比べる記事を書きながら、あらためて気づいたことがあります。私は2年近くオルカンを積み立てているのに、「オルカンって、結局何なのか」を人に説明できるほど理解していませんでした。
同じ人は、きっと多いはずです。今回から全5回で、「オルカンって結局何者なのか」を、ゼロから丁寧に整理していきます。第1回のテーマは、オルカンの正体そのものです。
「オルカン」という名前の正体
正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。「オルカン」はその愛称で、実は2022年1月に商標登録されています。誰かが自由に使える通称ではなく、運用会社が正式に権利を持つ呼び名だったんですね。
紛らわしい点がひとつあります。「eMAXIS Slim」が付かない「eMAXIS 全世界株式インデックス」という、名前がよく似た別のファンドが存在します。こちらは対面販売向けで信託報酬が高く、名前だけ見て誤って購入してしまうケースが注意喚起されているほどです。「オルカン」と呼ぶときは、必ず「Slim」付きのファンドを指しています。
誰が運用しているのか
運用会社は三菱UFJアセットマネジメントです。三菱UFJフィナンシャル・グループ系列の資産運用会社で、「業界最低水準のコスト」を掲げるインデックスファンドのブランド「eMAXIS Slim」シリーズを展開しています。オルカンは、このシリーズの中でも代表格にあたるファンドです。
何に「連動」しているのか
オルカンは、ファンドマネージャーが自分の判断で銘柄を選んで運用しているわけではありません。「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)」という指数に、値動きが連動するように設計されています。
このMSCI ACWIは、MSCI社という指数算出会社が公表している株価指数で、先進国23カ国と新興国24カ国、合わせて47カ国の大型株・中型株で構成されています。世界の株式市場の時価総額のおよそ85%をカバーしている、いわば「世界経済の縮図」のような指数です。
つまりオルカンを買うということは、「ファンドマネージャーの目利き」を買うのではなく、「世界の株式市場そのものの動き」を買うということになります。
実際の運用はどう行われているか
オルカンは、すべての銘柄を1本のファンドで直接保有しているわけではありません。「外国株式インデックスマザーファンド」「新興国株式インデックスマザーファンド」「日本株式インデックスマザーファンド」という3つのマザーファンドに投資する、「ファミリーファンド方式」という仕組みで運用されています。
このため、日本株も含めて世界中の株式に、原則として為替ヘッジなしで投資することになります。円高・円安の影響も、そのまま基準価額に反映されるということです。
オルカン基本データまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
| 愛称 | オルカン(商標登録済み) |
| 運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
| ベンチマーク | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算) |
| 対象国・地域 | 先進国23カ国+新興国24カ国(計47カ国) |
| 運用方式 | ファミリーファンド方式(3つのマザーファンドに投資) |
| 為替ヘッジ | なし |
| 設定日 | 2018年10月31日 |
よくある質問
Q. 「オールカントリー」と「オルカン」は同じもの?
A. はい、同じファンドを指す呼び方です。正式名称が長いため、愛称の「オルカン」や、通称「オールカントリー」と呼ばれています。
Q. MSCI ACWIって、誰が決めているんですか?
A. アメリカに拠点を置く指数算出会社、MSCI社です。世界中の株価指数を提供しており、多くの機関投資家やファンドがベンチマークとして採用しています。
次回予告
「オルカンが何を目指して運用されているか」は、これで見えてきました。次回は、「その指数に、どんな基準で銘柄が選ばれているのか」を掘り下げます。時価総額が大きければ何でも入るのか、実はそう単純ではありません。
- 第2回:誰が、どうやって銘柄を選んでいるのか
- 第3回:オルカンに日本は入っているの?何%?
- 第4回:「米国比率6割」の中身を覗いてみる
- 第5回:オルカンのコストと、これから10年の話












コメントを残す