オルカンの中身ってどう決まるの?【オルカン超入門②】

前回、オルカンは「世界の株式市場そのものの動き」を買うファンドだとお伝えしました。今回は、その”世界の株式市場”を実際の数字に変えている仕組み――銘柄がどうやって選ばれているのかを掘り下げます。
この記事でわかること 👀
オルカンの中身は、どうやって決まる?
「大きい会社を入れるだけ」ではありません。会社の大きさだけでなく、実際に売買できるか、海外から投資できるかまで見ています。
「時価総額が大きい企業から機械的に組み入れられるだけでしょう?」と思われるかもしれません。私も最初はそう思っていました。でも実際は、もう少し緻密な仕組みになっています。
選定基準は、主に3つ
MSCI ACWIの銘柄選定基準は、大きく分けて3つです。
- 浮動株調整後の時価総額
- 流動性(実際にどれだけ売買されているか)
- 投資可能性(海外の投資家が実際にアクセスできるか)
中でも重要なのが「浮動株調整」です。企業の時価総額をそのまま使うのではなく、創業家や親会社、政府などが安定して保有していて市場に出回らない株式を除いた、「実際に売買され得る株式」の時価総額で計算します。
「時価総額が大きい=組入比率が高い」ではない
この浮動株調整の効果を、実例で見てみます。
「会社が大きい」ことと「オルカンの中で重い」ことは、同じではありません。
| 項目 | トヨタ自動車 | ソニーグループ |
|---|---|---|
| 時価総額 | 約40.5兆円 | 約22.9兆円 |
| MSCI ACWI内の組入比率 | 4.19%(1位) | 3.98%(2位) |
時価総額はトヨタがソニーのおよそ3.15倍あります。ところが、指数内の組入比率で見ると、トヨタはソニーのわずか1.05倍です。
これは、トヨタの株式の一部が企業同士の持ち合い株として市場にあまり出回っていないことが影響していると考えられます。「会社の大きさ」と「指数の中での重み」は、必ずしも一致しないということです。
入れ替えは年4回、決まったタイミングで起きる
MSCI ACWIをはじめとするMSCI指数は、2月・5月・8月・11月の年4回、定期的に見直されます。加えて、M&A(合併・買収)や上場廃止、大型IPOなどが起きた場合は、定期レビューを待たずに随時反映されることもあります。
つまりオルカンの中身は、私たちが積み立てている間も、静かに更新され続けているということです。
実は「国」そのものも入れ替わる
入れ替わるのは個別企業だけではありません。「その国を新興国として扱うか、先進国として扱うか」という国の分類自体も、定期的に見直されます。
たとえば2026年8月の指数レビューでは、ギリシャを新興国から先進国に再分類するかどうかが検討されています。仮に格上げされれば、ギリシャ株の指数内での扱いも変わることになります。
私たちが普段目にする「先進国23カ国・新興国24カ国」という数字も、実は固定されたものではなく、少しずつ動いているのです。
身近な日本企業でも起きている
2025年5月の定期見直しでは、セイコーエプソンと安川電機がMSCI ACWIの構成銘柄から除外され、代わりにIHIとサンリオが新規に組み入れられました。
知っている企業の名前が並ぶと、「指数の見直し」がぐっと身近に感じられるのではないでしょうか。
よくある質問
Q. オルカンを積み立てているだけの人が、この入れ替えを意識する必要はありますか?
A. 基本的にはありません。銘柄の入れ替えはファンド側が自動的に対応してくれるため、私たち投資家が個別に何かをする必要はありません。ただ、「オルカンの中身は常に動いている」と知っておくと、値動きの理由を理解しやすくなります。
Q. 入れ替えのたびに、コストが増えたりしませんか?
A. 入れ替えに伴う売買コストは信託報酬とは別に発生しますが、eMAXIS Slimシリーズは低コスト運用を掲げており、そうしたコストも含めて競争力のある水準を維持する設計になっています。
次回予告
銘柄がどうやって選ばれているか、その仕組みが見えてきました。次回は、この基準の中で「日本」がどう扱われているのか、実際の比率まで掘り下げます。オルカンに日本株はどれくらい入っているのでしょうか。












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